続・怠け者の賛歌
2007.2月某日作成。 ネタの投下をメインにヲタクな小話とか雑記とか(本館夢サイトと別館二次創作サイトで共有中)
ナイトメア
アビス・ラスボス戦後。
フローリアン華麗に黒化への道。
まぢで小話です。
ローレライが解放された。
レプリカ世界の創造を目論んでいたヴァン・グランツは死に、世界は救われたのだ。
だが戻ってきた彼らの中に――ルークは居なかった。
「アニス、アニス! ルークはどうしたの!」
ローレライ教団の教会で彼らを出迎えたフローリアンは、入ってきた一行にルークの姿がないことに、焦りを 滲ませた表情でアニスに問いかけた。
だが、返ってきた言葉は曖昧で、浮かべる表情が、全てを物語っている。
掴んでいたアニスの肩を離すと、フローリアンは一歩、また一歩と、アニス達から後ずさる。
フローリアンの様子がおかしいことに気付いたアニスが顔を上げたが、其処にあった表情に身体を強張らせた。
……全てに絶望した眼差し。
未だかつて、フローリアンが浮かべたことも無いようなそれが、アニス達の動きを止める。
「また、殺したの?」
呟かれた言葉の意味が、一瞬、理解出来ない。
「また、ルークを殺したの? アニス達が殺したの?」
絶望が、憎悪へと変わってゆく。
アニス達と距離をとったフローリアンが彼女らを睥睨するのに、そう時間はかからなかった。瞳に映るのは、闇。それはかつて、世界に堕ちたシンクが内包していたような――底の見えない深淵。
「――綺麗な言葉だけ並べ立てて、結局僕達を殺すんだね。アニスも結局、薄汚い被験者と一緒なんだ! 僕らをまた殺すんだ!」
「フローリアンっ!?」
巻き上がった烈風が、アニスらとフローリアンとを隔てる。
慌てて手を伸ばそうとするが、それは届くことは無く。
「ルークを殺した世界なんて……消えちゃえば良いんだ!!」
瞬間、かつてないほどの第七音素が荒れ狂い、周囲を破壊し始める。それが、暴走したダアト式譜術だと気付いた時にはもう遅く、アニス達は吹き飛ばされた。
「っ、みんな、嫌いだぁぁぁぁっ!!!」
慟哭にも似たフローリアンの叫びは、風と共に響いて消える。
アニス達はただ呆然と、その様子を眺めていることしか出来なかった……。
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