続・怠け者の賛歌
2007.2月某日作成。 ネタの投下をメインにヲタクな小話とか雑記とか(本館夢サイトと別館二次創作サイトで共有中)
楽園へようこそ
アビス。
唐突におもいついたSSです。
オリキャラとルークしか出てない上に、ルークが狂っちゃってます……(汗
グロ系・狂気系。
某鬼太郎ヘアーの軍人殿スキー注意。
読む方は覚悟決めてください。
途中で気持ち悪くなっても知らないよ。
では続きからどうぞ。
ぼきん。ごきん。
白に統一された部屋の中に、歪な物音が響く。
くすくすと笑う声は部屋の隅から、蠢く朱色から発せられるものだった。
朱色――翡翠の目と朱色の髪の少年が、まるで人形遊びでもするかのように手の中のモノを無邪気にひっぱったり、はたまた床に叩きつけてみたり。
顔に浮かべるのは蕩けるような微笑で、一見、誰もがそれに目を奪われるほどの。
「キレイだなぁ……」
ぽつり、と呟いて、少年は手の中のモノを顔に寄せて、うっとりと頬ずりする。
此処数年、ついぞ見たことの無い柔らかな、安心しきった表情は、きっと彼が手にしているものが無ければ、無垢な笑みとしか認識出来なかっただろう。
――生身の、ヒトの、腕など。
「ヒトって脆いんだ」
にこにことそう言って笑う少年に、部屋の入り口でその光景を眺めていた青年は言葉を失くす。
七年前、彼がこの屋敷に戻ってきて、穢れも憎悪も知らなかった少年は、つい先日とある襲撃者の手によって誘拐され、マルクトへと飛ばされてしまった。
彼と親しかった、専属の護衛の青年、それと彼の剣の師である男が彼の保護に向かい……そして、屋敷に戻ってきた時には既に……彼は、壊れてしまっていた。
話によると、彼は、襲撃犯にして誘拐犯である他国の軍人に強制され、剣を持たされ、戦わされていたのだという。
戦う相手が魔物ならばまだ、心の均衡を保てたものの――やがて、ヒトと相対し、殺すことに恐怖した少年はけれど、周囲から無理矢理背中を押されて……
――ヒトの命を、奪ってしまった。
そうして、彼は壊れた。
けらけらと笑う少年の瞳は、既に焦点が合っていない。
「脆いんだ……だから、すぐに壊れるんだ……知ってた??」
笑う彼の眼差しには狂気の色。
それでも自分に、少年を救う術など無い。青年に出来ることは……そう、彼に剣を持たせ、彼の心を壊してしまった憎むべき犯罪者の、その腕を、遊び道具を強請る彼に捧げることのみ。
しかし、ソレにももう飽きてしまったのか、少年は一瞬にして表情を失くすと、手にしていた腕を床に放り投げ、傍にあったナイフで何度も何度も串刺しにし始めた。
青年の使う、特殊な譜術により、本来の持ち主と痛覚だけを繋げたままであるその腕は、少年がナイフを振り下ろすたびにビクビクと痙攣する。
……数十回とそれを繰り返した後、その内、腕の痙攣は治まった。
それを見届けると、無表情だった少年の顔に微笑が戻る。
「ほら、簡単に壊れた」
くすくすくす……
指はあらぬ方向に捻じ曲げられ、痣と裂傷で既に原形を留めていないソレは、更にナイフの刺し傷によって、完全に形を失った。
それを、まるで汚いものでも見るような嘲りの目で見やってから無造作に蹴り飛ばすと、少年は、扉の傍らに立つ青年を振り返る。
「次の玩具が欲しいな」
「……仰せのままに、ルーク様」
恭しく跪いて頷いた青年に、朱色の少年は、嬉しそうに破顔した。
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ちょっと楽しかった(危)
彼が持っていた腕は、某ユリアの子孫鬼太郎女のものです。YO。
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