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続・怠け者の賛歌

2007.2月某日作成。 ネタの投下をメインにヲタクな小話とか雑記とか(本館夢サイトと別館二次創作サイトで共有中)

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書きかけの文章見つけたので投下しておきますー


以前どっかでネタ語った「戯言シリーズの哀川潤inアビスでルークの育て親」SS。本気で書きかけ。潤ちゃんがにせものちっく。

続きとか前後の話とか書く気まったく無し。
リクの文章に詰まってるので……侘びにもなりませんが……


ルークは生まれた直後、コーラル城で潤ちゃんに掻っ攫われて、彼女に育てられてます。実年齢通りの子供っぽい子です。でも潤ちゃんの義息子なので最強スキル保持者。本編開始の一~二年位前にファブレ家に戻されてます。
外殻大地編一回目のケセドニアで潤ちゃんと再会。
ではどーぞ。



 ケセドニアに到着した途端、ルークの態度が目に見えてそわそわし始めた。賑やかな街並みの一つ一つにきょろきょろと目移りしている様子を見て、同行者達が呆れたような溜息を吐く。
 外見は立派な青年だというのに、どうもこの赤毛の青年は落ち着きが足りない。興味があればすぐそちらへ意識を向けるし、人の話も半ばスルーしては後でこっぴどく注意される(そしてされる側である筈の彼はあっけらかんとそのお説教すら耳に入れていない)
 こんなコドモが、あのキムラスカ王国の元帥であり公爵でもあるファブレ家の、長く行方不明になっていた一人息子(らしい)というのだから、世も末だ。はっきり云ってキムラスカ王家の特徴である赤い髪と碧の瞳を持っていなければ、死霊使いことジェイド・カーティスはすぐさま彼を放り出していたに違いない。
 ――まったく、どんな風に育てれば、こんなコドモが出来るのやら……
 視線を泳がせながら前も見ずに先へ進もうとするルークをガイが追いかける光景を見ながら、ジェイドは深く溜息を吐いた。

「おいおい、あんまりキョロキョロするなよルーク。迷子になっちまうぞ」
「失礼だな、迷子になんてならねーよ! 大体此処は――」

 苦笑しながらルークの肩を掴んで引き止めたガイの言葉に、彼は機嫌を損ねたように肩を怒らせる。そして反論しようとしたその矢先。
 ――どんっ。
 二人して前を向いていなかったがために、歩いてきた人間にぶつかってしまった。
 その様子を見たティアが目を吊り上げ、ルークの元に駆け寄る。

「ルーク! 貴方が勝手に先走るから回りに迷惑を「――ルーク?」……え」

 ティアの説教は、そのぶつかった人物によって遮られた。ガイも、そしてその後を追うように着いてきていたジェイドたちも、場の困惑に気付き集まってくる。
 ――直後。
 ルークの視界が真紅に染まり、身体ごと潰されてしまうかと思うほどの息苦しさを感じた。しかし、その抱擁は不快なものではない。むしろ、久しぶりに感じた――

「お前何処に行ってたんだ? 結構探し回ったんだぜー!」

 聞こえてきた声は、自分の脳裏に過ぎった人物と紛うことの無いもの。ルークの顔が喜色満面の笑みに彩られる。

「――潤さんっ!!」
「チクショウわざわざあたしの手を患わせやがってこのヤロウー!」
「いっいだだだだだ潤さん痛い痛い潤さん肋骨折れるからぁぁぁぁ!!!」

 感動の対面とは程遠い素敵な抱擁シーンに、同行者達の目が点になった。どうやら御互い、知り合いらしいが――

「すみませんがルーク、こちらの方は?」

 ふひゅーふひゅーと妙な呼吸を繰り返しつつうっかり失いかけた生を満喫するルークに、PTメンバーの中でルークが一番懐いているイオンが、彼に話しかける。
 同行者の視線を一身に浴びるのは、真紅の――それこそ、ファブレ公爵に隠し子がっ!? と思わず疑ってしまうぐらいに赤い髪を持った、長身の女性。なかなかがっしりとした体躯を持つルークに、それこそ蛙が潰れたような悲鳴を上げさせるほどのハグを浴びせかけたとは思えぬ美女だった。

「あぁん? お前らこそ誰だよ」
「な――失礼だわ貴方! 導師イオンに向かって……」
「ティア、貴方は黙っていて下さい」

 ローレライ教団最高位に立つ導師への不敬にティアが口を挟むが、それを当のイオンに厳しく諌められ、彼女はすごすごと引き下がった。それでも、ルーク達を睨みつける視線を止めることはなかったが。

「僕はローレライ教団導師イオンです」
「へぇ、ダアトの………ま、いーや。あたしはルークの保護者やってる哀川 潤だ。よろしく」

 ティアの存在を軽く無視した笑顔で、哀川 潤と名乗った女性は手を差し出した。本来ならばあってはならない不敬に、ティアも、そして導師守護役であるアニスも声を上げる。

「大佐! なんとかして下さいよぉ!……って、大佐?」

 この場を何とかしてもらおうとアニスがジェイドを振り返ったが、何故か死霊使いは石化したように固まっている。心なしか、その顔色は青い。

「哀川―――潤?」
「ジェイド、知り合いか?」
「……私が知っているのは噂だけです」

 問い掛けたガイが、噂に上がるほどの人物なのかと感心したような声を上げかけた。
――が。

「―――《譜銃による零距離射撃を腹筋に喰らって生き残った》とか、《譜術攻撃の嵐の中を平気な顔で歩く》やら……その筋では《死霊使い》よりも余程恐れられている人物ですよ」


 それは、人間なのだろうか。


 死霊使いが語った世にも恐ろしい《噂》の数々に、ガイもアニスも、怒っていたはずのティアも――皆、顔を引き攣らせた。



(人類最強の請負人はアビス世界でも最強。)

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